旬人彩人
本を書き、訳し、読み聞かせ、貸し出して、 希望の種をまく
児童文学作家・翻訳家
小松原宏子さん
物語には力がある。本を好きな人なら、理屈抜きで知っている事実だ。幼い頃から本に囲まれて育ち、現在、児童文学者、翻訳者、家庭文庫主宰者として活躍する小松原さんに、子どもと本の関係について伺った。
私を賛美の器としてください 福音歌手三十周年を迎えて
福音歌手 森祐理
福音歌手の森祐理さんのコンサートは、多くの人が涙ぐむ。美しい歌声と旋律に乗せて、ことばが直接魂に響くようだと評した人もいる。誰もが内にかかえている心の傷跡に手を当てて、癒やしを祈るような歌声なのだ。福音歌手とは、歌うメッセンジャー。歌声を通して神の愛と希望を伝える人だ。
教会を建て上げ、DVに苦しむ人々を救済
NPO法人 女性・人権支援センター ステップ理事長
栗原加代美さん
コロナ禍以降、DV(ドメスティック・バイオレンス)が急増している。警察へのDV相談件数は、昨年一年間で八万三千件に上り、過去最高となった。それに伴って被害者を保護するシェルターだけでなく、注目を集めているのが、加害者の更生プログラムだ。栗原加代美さんは、その活動の先駆者の一人として奮闘している。
生きづらさもつ子どもたちを支援
株式会社愛真美(あゆみ)代表
山田慶子さん
計算はできるが文字を書くのは難しい。話すのは上手だが聞くのは苦手で一方的に話してしまう。自分の気持ちをうまく整理できずに感情的になりやすい。授業中に席に座っていられない。たとえばそんな、できることとできないことのデコボコが大きくて生きづらさを感じている子どもたちを支援しようと、奈良県生駒市で事業所を運営しているのは山田慶子さん。子どもたちが自信を取り戻し、毎日を充実して暮らせるように、そして自立して生きていけるように、夫の耕三さんと二人三脚で専門的な働きかけを続けている。
自殺の危機を見過ごさない
近年、たて続けに報じられた著名人の自殺は、私たちに大きな衝撃を与えた。著名人だけでなく、このコロナ禍においては特に女性や子どもの自殺が急増し、予防対策が急務となっている。そんな中、学校教育現場で少しずつ導入が広がっている対策の一つが「ランプス(RAMPS)」。北川裕子さんが東京大学大学院で二〇一八年に開発した、子どもの心の不調を可視化して周囲の支援へとつなげるITツールだ。